新型コロナウイルスの「第7波」が続く中、夏の観光シーズンが最盛期を迎えている。政府は行動制限の導入に慎重姿勢だが、独自に要請する自治体も。感染急増の影響からか人出も減り始めており、観光地からは「同じことの繰り返し」と落胆の声も漏れる。

 鋭い日差しが照りつけた29日午後。横浜市中区の横浜中華街では、食事を楽しむ家族連れや買い物客らでにぎわっていたが、すれ違う人と肩がぶつかり合うような混雑ではなかった。

 名古屋市の大学4年生、小林大喜さん(22)は友人と一緒にやってきた。感染者が急増する首都圏に来ることに迷いはあったが、大学生活はコロナ禍で学生らしいことができなかったこともあり、「思い切ってきた」という。「飲食店で食事をしたけれど、思ったより空いていたのでよかった」と話した。

 横浜中華街発展会協同組合によると、ゴールデンウィークから6月にかけて、中華街の日中の人出はコロナ禍前の2019年の95%ほどにまで回復していたという。だが7月に入ると観光客が減り始め、6月に比べ2~3割ほど人出が減っているという。石河陽一郎副理事長は「人出が減っていても今回は協力金もなく、店の経営者らからは『これ以上どうしたらいいのか』という声も聞こえてくる」と話す。

 三重県の伊勢志摩地方でも、外国人客は期待されたほど戻っていない。

 焼き立ての新鮮な魚介類を提…(以下有料版で,残り2525文字)

朝日新聞 2022年7月29日 19時24分
https://www.asahi.com/articles/ASQ7Y66HZQ7YUTIL005.html?iref=comtop_7_01