交流サイト(SNS)などで外国人などを装い、相手に恋愛感情を抱かせ現金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」事件で、大阪府警に国際手配され、ガーナで身柄拘束された森川光容疑者(58)が、5月の公開手配以降、5回にわたり自ら府警に電話で連絡してきたことが1日、府警への取材で分かった。電話で潜伏先アパートの所在地も伝えたことで、身柄拘束につながったという。

府警曽根崎署捜査本部は捜査員を現地に派遣するかどうか調整中で、森川容疑者を日本に移送し次第、詐欺容疑で逮捕する方針。

森川容疑者は平成30年8月からガーナに滞在中とみられ、現地の国際犯罪グループに所属。日本人メンバーの取りまとめ役として、全国の男女65人から総額約4億円を詐取したとみられる。府警は昨年8月、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配し、今年5月18日に森川容疑者の顔写真などを公表する「公開捜査」に踏み切っていた。

府警によると、森川容疑者は公開捜査から1週間後の5月25日、捜査本部に電話で「被害弁済の金が用意できるまで帰れない」などと連絡。7月19日までに計5回の連絡があり、7月18日午前の4回目の電話では、自らガーナの首都・アクラのアパートに居住していることを明かした。森川容疑者の旅券は2月に失効しており、ガーナ当局が7月20日午前2時過ぎ(日本時間)、アパートにいた森川容疑者を不法滞在の疑いで拘束したという。

府警は森川容疑者が犯罪グループの内情を知っているとみて、逮捕後に組織の実態解明を進める。

産経ニュース
2022/8/1 12:06
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