小泉進次郎環境大臣への単独インタビュー後編は、自民党総裁選に向けてその去就に注目が集まる政治家小泉進次郎氏の今後だ。

国会改革や仲間、そしてマスコミや世間のバッシングをどう受け止めているのか。普段聞くことの出来ない小泉進次郎氏の本音トークだ。

■マイボトル持ち込みを議決する国会はおかしい
今回のコロナで、この国の多くの問題が顕在化した。その中で、特に遅れているなと感じたのが国会だ。

ーーこれまで国会改革に取り組んできた小泉大臣から見て、今後国会の改革にどう取り組んでいきたいですか?

小泉氏:
大臣の立場ですから発言しにくいところもありますが、私が党に関わらなくても自民党内ではいま、国会改革に取り組んでいる鈴木隼人議員をはじめ様々な方がいますから。
国会は国会のことを決める前提でいうと、衆議院ではマイボトルはいまだにダメだという、全く理解不可能な状況が続いていますが、
参議院はその風穴を議運からあけて下さって、マイボトルを持っていく動きが出たわけですよね。

――国会でのマイボトルの議論は、みていて正直ウンザリしました。

小泉氏:
一方で本来だったら持ち込んではいけないタブレットや雑誌を、国会の委員会中に読んだり見たりする議員の姿が散見されると。
これだけでマイボトルがいいかどうかという議論が、全く不毛だということがよく分かりますよね。
タブレットはなし崩し的に持ち込まれている中、環境も考え自分が飲みたいものを持って行く行為を、議決しなければ認められない国会は本当におかしいと思います。
国民が選んだ国会議員を、なぜそんなことまで議決をしなければ行動出来ないようにするのか。
これは議員を信頼していないのではなくて、国民を信頼していないということですからね。

(中略)

インタビュー終了後、筆者は小泉氏に「正直ちょっと心配していたんですよ。セクシーとか結構バッシングがありましたからね」と声をかけてみた。

対して小泉氏は、「まあ、そういうモードになると、マスコミは止まらないね」と苦笑した。

振り返れば2009年の初出馬の際、小泉氏には世襲批判が浴びせられた。
選挙期間中小泉氏は、「横須賀から出て行け」と罵倒され、足を踏まれ、ペットボトルを投げつけられた。

この時のことに触れると小泉氏は、「いや、(今回は)あの時に似ているなあと思いましたよ。
その時はしょうがないと思って、淡々とやっていくしかないと思っていたから。でも面白いのは、人って叩き続けると飽きるんですよ」と答えた。

マスコミや世間の熱しやすく冷めやすい性質を、小泉氏はすでに身を持って知っており、今回のバッシングも冷静に見ているのだ。

別れ際に筆者は「でもいまは勢いが戻ってきた感じですね」と、インタビューで得た印象を率直に伝えた。

「まあ相当叩かれましたからね。でも批判が収まるのを待っていたんじゃなくて、戦い続けていましたよ。
次の戦いは、政府の(温室効果ガスの国内削減)目標を引き上げさせる。トライします。まあ見ていてください」

そう語って部屋を出ていった小泉氏の後ろ姿を見ながら、筆者は確信した。

「小泉進次郎は復活し、さらなる高みに向けて発進した」ことを。

【執筆:フジテレビ 解説委員 鈴木款】
【撮影:山田大輔】
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