8/17(水) 16:01配信

北國新聞社

 国指定史跡の「チカモリ遺跡公園」(金沢市新保本5丁目)で、市が必要な申請をせずに遊具や看板を設置していたことが17日、分かった。史跡内での工事には文化庁長官の許可が必要だが、市の担当課などが確認せずに施工した。掘削工事も行われていたが、公園の約90センチ下にある史跡の層に影響はないとみられる。

 17日、市議会文教消防常任委員会で市側が報告した。市によると、園内にある砂場や動物型の遊具、鉄棒、看板など9設備が無許可で設置されていた。

 遊具や看板はいずれも1998年以降に設置され、地元の町会や防犯協会が置いた看板もあった。取材に対し、公園を所管する市緑と花の課の担当者は「認識不足で工事を進めてしまった」と陳謝した。

 文化財保護課の担当者が7月上旬、公園内に土のう置き場が設けられているのを確認し、内水整備課などに聞き取り調査を行って発覚した。

 文化財保護法では、史跡に関して現状変更する場合は、事前に文化庁長官の許可を受けることが定められている。市は石川県を通して現状を文化庁に報告し、指示に従って対応を進める。史跡や埋蔵文化財の保護に関する研修会を開き、再発防止に努める。

 委員会で報告した市文化財保護課の納谷英行課長は「残念なことで申し訳なく思う」と述べた。

 チカモリ遺跡は、縄文時代後期~晩期の集落遺跡で、87年に国史跡に指定され、公園として利用されている。

 今年5月には、同市高尾町の高尾城跡で、市森林再生課が必要な申請をせずに遺構の一部を損壊した可能性のある工事を行っていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a8f7e1abffb9c9256debc1c139cc6507c5d1817b