つづき

検察官 あなたは初めて取った調書の中で、「自分は中学時代は野球部で、ショートを守る一番バッターだった」という話をしてるよね。
被告人 それはカッコつけです。
検察官 ある高校を受験したけど、不合格だった。これもウソだよね。受けてもいない。何でこんなこと言ったの?
被告人 ただの見栄です。
検察官 専門学校卒業後、大手家電メーカーの下請けをやってたって……、これもウソだよね。どういう意味で言ったの?
被告人 自分をカッコよく見せようと思ったんです。
検察官 濡れ衣を着せられ、怖くて認めてしまったという精神状態の人が、そんなウソやカッコつけが言えるんですか?
被告人 ……。
検察官 あなたは弁護士にもウソを言ってるよね。当日の行動について「ゲームセンターに着いたのは午前2時30分頃。犯行時間帯にはいませんでした」って、手紙に書いてるでしょ。
被告人 覚えてません。