東洋経済 2022/08/19 4:30
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都心近くにありながら、人情味ある街の空気が流れる東武鉄道東上線の大山駅周辺。人通りの多いアーケード商店街と踏切が駅前の風景になっている。が、その駅と周辺の街並みも大きく変わることになりそうだ。同駅を含むエリアでは線路の高架化と周辺の再開発が計画されている。

東武鉄道は7月28日、大山駅付近の連続立体交差事業について東京都と施行協定を締結したと発表した。完了予定は2030年度で、事業費は約428億円。東京都が約342億円、東武が約86億円を負担する。

■商店街が有名な大山駅
東上線は池袋から北西へ伸び、寄居(埼玉県寄居町)までを結ぶ。途中に東京メトロ副都心線・有楽町線が乗り入れる和光市、越生線が分かれる坂戸などがある。沿線に川越といった観光地も抱えるが、東武スカイツリーラインの「スペーシア」や「リバティ」のような有料特急は走らない。座席指定制「TJライナー」が人気の通勤通学路線だ。

東上線で東京都内に位置するのは池袋から成増までの10駅で、その先で埼玉県に入る。途中駅は普通電車しか停まらず、地下鉄との相互直通運転の列車も通らない。それぞれの駅前には日常の生活感があふれる。

その代表的な駅が池袋から3つ目の大山だ。南改札口は「ハッピーロード大山商店街」に面する。地元密着で手軽に利用できる飲食店やスーパーマーケットがテレビ番組でもよく取り上げられる。東側には遊座大山商店街。板橋区立文化会館・グリーンホールや、警察署、税務署、区役所などが建ち並ぶ、板橋区の行政の中心地がある。

2つの商店街を分けるのが大山駅のカーブを描いたホームの先にある踏切。日中もひっきりなしに遮断棒が上下、電車が近づくと警報音とともに「速やかに踏切の外に出てください」という自動音声が流れる。商店街を行き来する歩行者が電車の通過を待つ姿は駅前の定番の光景となっている。

連続立体交差事業の区間は下板橋駅の川越側を通る環状第6号線(山手通り)をくぐる付近から、大山駅を挟むようにして中板橋駅手前までの約1.6km。高架化で8カ所の踏切を除却、側道も整備する。今回の施行協定により、事業主体である東京都と東武鉄道の間で、事業費の負担割合や工事の施工区分等を取り決めた。

■道路と鉄道双方にメリット
同社改良工事部担当は「踏切遮断による交通渋滞や踏切事故が解消されることで、道路と鉄道の安全性と快適性の向上が期待される。また、鉄道により分断されていた市街地を一体化することで、将来のまちづくりに役立つことを期待している」と強調する。

そのうえで、スケジュールについて「まずは事業に必要となる用地取得等を進めていく。その後、現在の上下線を仮線に移設し高架橋工事を進め、下り線・上り線の順に高架化する予定となっている」と説明する。

大山駅は高架駅となり、駅舎の屋根の高さは約16mになる予定だ。東武によると、駅舎の構造は、1階が改札階、2階がホーム階になる。ホームは現在と同様、相対式の2面2線を計画する。

ホームの位置は中板橋駅側(川越側)に移動するが、改札口は現駅舎の南口改札と北口改札付近の高架下に設置する予定。駅舎の設備としては「安全性や快適性の向上のため、可動式ホーム柵・エレベーター・エスカレーター等の設置を検討している」(同社改良工事部担当)という。そのほかの詳細な内容は、今後検討を進めていく方針だ。板橋区には、駅前広場を整備する計画もある。

■周辺で進む再開発計画
大きく変貌しそうなのは東上線ばかりでない。現在、東京都健康長寿医療センターや板橋区立グリーンホールが面する都市計画道路補助第26号線(都道420号鮫洲大山線)は、東上線の踏切と国道254号(川越街道)との間を拡幅して整備する計画がある。

一部は商店街と交差する格好になる。同地点では「大山町クロスポイント周辺地区」の再開発プロジェクトが進行中だ。住宅や店舗で構成するA~D街区があり、A街区には27階建て、D街区には26階建ての約95mの高層ビルが建つ予定。さらに西側の隣接地に「大山町ピッコロ・スクエア周辺地区」の再開発事業がある。こちらも2棟のタワーマンションがそびえることになる見通しだ。
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