イラストレーターの画風を学習してイラストを生成するAIイラストメーカー「mimic(ミミック)」のベータ版が、RADIUS5社より8月29日(月)にリリースされた。

「mimic」は、最小15枚・最大100枚のイラストをアップロードすることでその特徴をAIが学習し、“描き手の個性が反映されたイラストメーカー”を作成できるというサービス。

ガイドラインでは「自身の描いた画像のみアップロード可能」としているが、SNS上でイラストレーターの賛否両論を集めている。

“描き手の個性が反映”されたAIイラストメーカー

「AIは創作活動をする人のためにあるべき」と考えのもと開発されたというAIイラストメーカー「mimic」。

mimicで生成されたイラストの著作権は「クリエイター(イラストの権利者)に帰属」するとしており、自由に利用・公開することが可能。イラストを公開する場合、個人・非商用・商用などイラストの利用範囲が指定できる。

ただし、利用範囲に関わらず、公開設定されたイラストはSNSでのシェアが可能。また、一度でも公開設定されたイラストは、RADIUS5社のプロモーション用途に利用される場合があることが明記されている。

さらに、RADIUS5社のAIによって生成されるためイラストの著作者人格権はRADIUS5社にあるとしている。

ガイドラインの禁止事項には、「他人のイラストを勝手にアップロードしないでください。必ずあなたが描いたイラスト、もしくは権利を保有しているイラストをアップロードしてください」と明記。権利侵害を発見した場合、RADIUS5社は、当該アカウントの停止や捜査機関への情報提供などの措置を行うとしている。

「他人のイラストを無断で使われるのでは」と懸念の声も

今回、AIイラストメーカー「mimic」のベータ版発表に際し、SNSでは「他人が著作権を持つイラストを無断アップロードし、イラストメーカーを生成されてしまうのではないか」と悪用を懸念する声が寄せられている。

確かに利用規約では明確に禁止されているものの、古くより著作権侵害が横行してきたインターネットにおいて、その抑止力には疑問が残る。

他人のイラストを「mimic」に学習させ、生成したイラストを自分の作品として発表する(いわゆる「自作」発言)ケースも当然想定されうる。
そのため、現状、賛否両論を巻き起こしている。

AI画像生成の流行、浮かぶ「絵柄パク」「トレパク」の是非

一方、AIイラストメーカー「mimic」に法的に問題があるかどうか(特に著作権法上で問題があるかどうか)は、それぞれ工程を慎重に検討して導かれるべきものであり、一概に断じることができるものではない。

また、AIを人間に置き換えて考えてみると、著作権法以上にモラル・マナーの問題として語られることが多い「絵柄パク」「トレパク」にも繋がってくる。

現在、AIによる画像生成サービスが流行の兆しを見せているが、そういった面からも議論を重ねていく必要がある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/63759292d84942f51e26aaee264edae3943d1c73