2022年09月16日 12時27分 サイエンス

アメリカの科学誌「Improbable Research(風変わりな研究の年報)」が毎年主催している「笑い、そして考えさせられる研究」に対して贈られるイグノーベル賞の2022年度授賞式が、2022年9月16日7時に開催されました。第32回目となる今回は10部門の賞が用意され、日本人の研究者も受賞しました。

2022 Ceremony
https://improbable.com/ig/2022-ceremony/

イグノーベル賞は毎年ハーバード大学のサンダースホールで開催されるのですが、2020年度から新型コロナウイルスパンデミックの影響で、オンライン開催となっています。2022年度のテーマは「Knowledge(知識)」でした。

受賞者に贈られるのは紙製のトロフィーを印刷できるPDFファイルと、本家ノーベル賞受賞者による署名入りの「イグノーベル賞受賞の知らせ」、そして賞金10兆ジンバブエドル札1枚。以下のシーンでテーブルの上に雑に転がっているのが、2022年度のイグノーベル賞のトロフィーです。

https://i.gzn.jp/img/2022/09/16/ig-nobel-prize-2022/snap3532.jpg




以下、ソース参照



◆応用心臓学賞
応用心臓学賞は「ロマンチックな出会いがあり、互いに惹かれていると感じてるとき、心拍数はシンクロするという証拠の発見について」で、エリシカ・プロカシコヴァ氏、エリオ・シャクシ氏、フレデリカ・ベレンス氏、ダニエル・リンド氏、マリシカ・クレット氏に贈られました。

◆文学賞
文学賞は、エリック・マルティネス氏、フランシス・モリカ氏、エドワード・ギブソン氏の3名による「法律文書の理解を不必要に困難にしている原因の分析」に対して贈られました。

◆生物学賞
ソリマリー・ガルシア=ヘルナンデス氏とグラウコ・マチャド氏の「便秘がサソリの交配に影響を与えるかどうか、またはどのように影響するか」という研究に、イグノーベル生物学賞が贈られました。

◆医学賞
医学賞を受賞したのはポーランドの研究チームによる「化学療法を行う際アイスクリームを使用すると副作用が減少することの証明について」でした。受賞者はマルシン・ヤシンスキ氏、
マティーナ・マシエスカ氏、アナ・ブロジアック氏、マイケル・グルカ氏、カミラ・スキロスカ氏、イエスラ・イエスレタク氏、アニエスァ・トマシウェブカ氏、グレゴーズ・バサク氏、エミリアン・スナスキ氏です。

◆工学賞
工学賞を受賞したのは千葉工業大学の松崎元教授、大内一雄教授、上原勝教授、井村五郎教授で、受賞理由は「円柱形つまみの回転操作における指の使用状況について」です。
日本人がイグノーベル賞を受賞するのは、2007年から数えて連続で16人目。受賞は2022年ですが、論文の発表自体は1998年です。

◆美術史賞
32回目で初の部門となる美術史賞の受賞者はピーター・デ・スマット氏とニコラス・ヘルマス氏で、受賞理由は「古代マヤの土器に描かれた浣腸(かんちょう)儀式への学際的アプローチについて」でした。

◆物理学賞
フランク・フィッシュ氏、ジーミン・ユアン氏、ミングル・チェン氏、ライビング・ジア氏、チャンイャン・ジ氏、アティラ・インセチィック氏に、「子ガモが編隊を組んで泳ぐ方法を理解しようとしたことについて」で物理学賞が贈られました。

◆平和賞
平和賞は、ジュンヘイ・フ氏、シャボッチ・サマド氏、パット・バークレー氏、ビアンカ・ベルスマ氏、テレンス・ドレス・クルーズ氏、セルジオ・ラ・ヤカノ氏、アニカ・ニッパー氏、キム・ピータース氏、ボイテック・シュピオカ氏、
レオ・ティオキン氏、ポール・ヴァン・ランガ氏に贈られました。受賞理由は「ゴシップ好きがいつ本当のことを言い、いつウソをつくべきかを判断するためのアルゴリズムの開発に対して」でした。

◆経済学賞
「なぜ最も才能のある人ではなく最も幸運な人が成功することが多いのかを数学的に説明したことについて」で、アレサンドラ・プルキーノ氏、アレッシオ・エマヌエレ・ビオンド氏、アンドレア・ラピサルダ氏に2022年度イグノーベル経済学賞が贈られました。

◆安全工学賞
安全工学賞はスウェーデンのビジネス開発者であるマグナス・ゲンス氏で、受賞理由は「衝突試験用にダミーのヘラジカを開発したことについて」でした。

https://gigazine.net/news/20220916-ig-nobel-prize-2022/