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道路に倒れたバス停 実は台風のせいじゃなかった!台風の裏にバス事業者と〝善意の悪魔〟の攻防

https://withnews.jp/article/f0220921002qq000000000000000W08k10201qq000025113A

2022/09/21 2022/09/21 07:00

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台風が近づく京都市内で見つかった、倒れた停留所
出典: 井上学さん(@kasobus)のツイート

松川希実/朝日新聞記者

目次
・全部合わせるとおよそ200キロ
・必死で停留所を倒しに回る
・「少なくとも50年以上続いていた」

台風前後に目撃された、道路に横倒しになったバスの停留所。それが「風によって倒れた」わけではなかったという〝真相〟を物語る画像が、ツイッターで話題になりました。投稿者とバス事業者に話を聞きました。

話題になったのは、Manabu INOUEさん(@kasobus)が台風14号が接近した9月19日に投稿した画像です。
これ、もっと知られるといいかも
画像に写っているのは、路傍に横倒しになっているバスの停留所です。

台風が近づいているので前もって倒されたバス停
「大風でバス停が倒れてる」という苦情から、「バス停が倒れてたので直しときました」という善意の悪魔からの電話対応がハンパないとバス事業者さんから伺ったので
この投稿には、「まだ強風は吹いていないのに何故倒れる?と思っていた」「あぶね、善意の悪魔になるところだった」「是非、広まってほしい」などと共感が集まり、6万件以上のいいねがつきました。

これ、もっと知られるといいかも

台風が近づいてるので前もって倒されたバス停

「大風でバス停が倒れてる」という苦情から、「バス停が倒れてたので直しときました」という善意の悪魔からの電話対応がハンパないとバス事業者さんから伺ったので (略)

— Manabu INOUE (@kasobus) September 19, 2022

取り組み、見慣れていない人にも
投稿した井上学さんは龍谷大学の教授で、公共交通を研究されています。

今回投稿したのは、以前、バス事業者から台風接近に備えて前もってバス停を倒していることや、それにまつわる苦労話を聞いたことがきっかけでした。「まだ多くの人に知られていないことに気付きました」

まちなかで、台風14号で見つけたバス停を投稿すると、多くの反響がありました。

井上さんは、「実はずっとやられている取り組みなのですが、台風の影響を比較的受けない地域にも、このような取り組みが伝わるのはSNSならでは」と、多くの人に伝わったことを喜びます。

全部合わせるとおよそ200キロ
実際に、バス事業者は、台風接近でどんな対応をしていたのでしょうか。

今回の画像が撮影された京都市内のバス事業者のひとつ、京都市交通局に話を聞きました。

担当者によると、バスの停留所にはいくつか種類があります。

街なかに多いのは道路に埋まっているもの。広告が付いた屋根付きの停留所。そして、今回投稿された、下がコンクリートの基礎で上が時刻表になった〝標識柱〟です。

この標識柱を、大型の台風が接近する際に倒すことがあります。

どの台風の規模から倒すかという基準はなく、対応はそれぞれの事業者が判断しているそうです。

ただ一口に「倒す」と言っても、簡単なことではありません。

標識柱の停留所は、高さ約2・5メートル、コンクリートの土台は約140キロあり、全部合わせるとおよそ200キロにもなると言います。

「1人では到底倒せないので、2人以上で倒しに行きます」

必死で停留所を倒しに回る

台風14号は、「過去に例がないほど」と早くから警戒されていたこともあり、いつもよりも前もって、最接近の予報の前日の18日夕方に倒し始めました。

京都市交通局が管轄する停留所のうち、該当するのは約150箇所。エリアごとに各営業所が分担しますが、三連休の中日だったため人手は最低限でした。

数時間後に迫る大型台風への緊張感の中、職員は車で周り、必死で停留所を倒して行きました。

時間との勝負のなか、倒した停留所には貼り紙を取り付けることも忘れません。

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(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。