台風15号による記録的な大雨で土砂崩れや浸水が相次ぎ、甚大な被害を受けた静岡県は26日、自衛隊に災害派遣を要請した。大規模な断水や集落の孤立化など、早期の解決が困難な被害が確認されたが、派遣をめぐる調整に時間がかかり、要請まで2日間を要した。

 県によると、自衛隊法に基づき、川勝平太知事が陸上自衛隊板妻駐屯地(同県御殿場市)の第34普通科連隊長に派遣を要請したのは26日午前10時25分だった。

 静岡市では6万戸を超える大規模断水が起き、復旧の見通しが立たない。川根本町では土砂災害で山間地の道路が寸断され、一部集落が孤立化した。こうした市町から同日午前に要請を求められて判断したという。

 今回の災害をめぐっては、県は23日夜に警戒態勢に入り、24日午前3時に災害対策本部を設置した。

 同6時半には静岡市、川根本町を含む23市町に災害救助法を前日付で適用することを決め、県内の被害状況の把握を進めながら陸自の派遣要請について市町側と調整。だが、25日まで要請は見送った。担当者は「市町側の意向を確認していた」と話した。

 静岡県熱海市で昨年7月に起きた大規模な土石流災害では、県は発生から約1時間半後に陸自34普連に派遣を要請していた。(床並浩一)

朝日新聞デジタル
2022年9月26日 17時29分
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