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久寿餅の元祖は川崎

□川崎大師名物の久寿餅歴史
まず特徴は原料。一般的な葛粉を使った「くず餅」と違い、小麦粉を使用している。

「久寿餅」の生みの親は、江戸時代の末期にこの近辺に住んでいた、久兵衛さん。大雨の夜、久兵衛が納屋へ行ってみると、保管していた小麦粉がすべて水にぬれてしまっていた。ひとまず樽に移しておいたのだがそのまま忘れてしまった。翌年、川崎周辺を飢饉が襲ったため、ふと樽のことを思い出した久兵衛。早速確認してみると、水にさらされた小麦粉は樽の底でデンプンに変化していたので、これをなんとか餅として利用できないかと考えついたそう。
 
できあがった餅を川崎大師へ寄進したところ、当時の上人から、「久の字に、縁起のよい寿の字を付け、『久寿餅』とするがよい」とのお言葉をいただき、ここに川崎大師名物が誕生した。

一方、大正3年川崎大師のすぐ隣に「味の素川崎工場」が設立。味の素は当初、うま味の元になるグルテンを、小麦粉を水にさらすことで生産。副産物であるデンプンを大量に抱えていた(味の素1に対してデンプンは20生産)偶然安価かつ大量に原料が確保されることになり、川崎大師で広まった。