※2022/10/08 19:54

 医療機関の4割が、患者側から暴力やハラスメントを受けた経験がある――。医療従事者を標的とする事件が相次ぐ中、こうした実態が、福岡市医師会が行ったアンケート調査で明らかになった。新型コロナウイルス禍で、心ない言葉をかけられることも増えているという。

 同市の病院では6月、診察中の医師が刺される事件が発生。昨年12月には大阪市でクリニックが放火されるなど、医療従事者が犯罪に巻き込まれる事案が相次いでいることから、実態把握のために調査を実施。9月2~20日、1285の会員医療機関を対象に行い、460機関から回答を得た。

 患者や家族からの暴力・ハラスメントの有無を尋ねたところ、41%(186機関)が「ある」と回答した。ほとんどが、要求内容に妥当性がないものだったという。

 具体的な事例(複数回答)では、長時間や度重なる電話のクレームが94件と最も多く、インターネットやSNSの中傷が92件、脅迫・強要60件、暴行・傷害19件などで、通常診療に影響が出ているとした。備品や窓ガラスなどを壊された事案や、事実無根のことをネットなどに書き込まれ、削除できないといったケースもあるという。

 平田泰彦会長は5日の定例記者会見で「クレーム自体は患者の要望であり、医療者が気づいていない貴重な情報」とした上で、中には悪質なものもあると指摘。特に新型コロナ禍では、不安や不満を医療機関にぶつける人がいるといい、発熱外来で「検査結果が遅い」「熱が下がらないので医療費を返せ」などと 執拗しつよう に責められ、傷つく医療従事者が多いと訴えた。

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読売新聞オンライン: 患者の暴力・ハラスメント、医療機関の4割が経験…「検査結果遅い」「熱下がらず医療費返せ」.
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221007-OYT1T50140/