10月06日 16時41分

奈良市の遺跡で見つかった、使いみちがよく分からず、研究者などが首をひねる出土品ばかりを集めた展示会が開かれています。

展示会は奈良市埋蔵文化財調査センターが開いていて、会場には奈良市の遺跡で発掘された、使いみちや目的が分からない出土品、310点が展示されています。
このうち、平安時代の井戸から見つかった「束ねられた人形」は、当時の男性の顔や名前が書かれた51枚の木片がおよそ8枚ずつにまとめられ、顔が見えない形で重ねられています。
木くぎが打たれるなどしていることから、一見すると呪いの道具にみえますが、病気の回復を願って作られた可能性もあるということです。
また、室町時代から安土桃山時代に作られたと見られる「犬形土製品」は、当時の大坂などで数多く作られていたとみられる、かわいらしい犬の形をした素焼きの土人形です。
犬は子どもを多く産むことから、安産のお守りやおもちゃとして使われていたという見方があるほか、豊臣政権が滅んだ大坂夏の陣以降、まったく出土していないため、何らかの関係があるのではないかと推測されています。
会場には、訪れた人が独自の解釈を紙に書いて貼り付けるコーナーもあり、研究者が想像できない発想も多いということです。
奈良市の女性は「いろいろ自由に考えることができて楽しいです」と話していました。
奈良市埋蔵文化財調査センターの原田憲二郎 学芸員は、「発想が変わると今後の研究のいいきっかけになる。自由に観察していろいろ考えてほしい」と話しています。
展示会は来月(11月)30日まで開かれています。

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