中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領は14日、旧ソ連圏での国境に関する問題は「もっぱら平和的な手段で解決されるべきだ」と述べた。カザフの首都アスタナで行われたロシアと中央アジア5カ国の首脳会議での発言。トカエフ氏は、ウクライナ侵略を続けているプーチン露大統領に苦言を呈した形だ。

露国営タス通信によると、トカエフ氏は国境問題について、「友好と信頼の精神で、さらに国際法の原則と国連憲章の順守によって解決されねばならない」とも指摘した。

アスタナでは14日、旧ソ連諸国でつくる独立国家共同体(CIS)の首脳会議も行われた。プーチン氏は、第二次世界大戦終結から80年となる2025年に「ナチズムに対する団結」をCISが宣言するよう提案し、各国の同意を得た。

ウクライナ侵略について、ロシアは旧ソ連諸国の大半から支持を得られていない。プーチン氏はCIS諸国に結束を確認させ、孤立感を払拭しようと躍起だ。

プーチン氏は「旧ソ連の諸国民がナチスから人類を救った」と主張し、CISが歴史的功績を再確認すべきだと発言。プーチン氏はウクライナ侵略を「ネオナチとの戦い」だとしており、各国に軍事行動への理解を求めようとしたとみられる。


12日、ロシアのウクライナ4州併合を非難した国連総会の決議案採決では、CIS諸国で反対票を投じたのがロシアとベラルーシのみだった。

産経新聞 2022/10/15 00:04
https://www.sankei.com/article/20221015-T3PSLFL5BZLY5GO7DOQVDYQRO4/