馳知事 中部圏知事会議で指摘
 石川県の馳浩知事は二十一日、東京二十三区の大学における学生の定員増を規制する制度について東京都が早期撤廃を求める緊急要望を国に提出したことに「アリの一穴になる。地方大学の努力を鼻であしらうようなやり方は断じて容認できない」と述べた。福井市内で行われた中部圏知事会議後、記者団の取材に答えた。
 「次なる成長の機会を生み出す『人への投資』」をテーマとした中部圏知事会議の席上、東京都が発出した緊急要望が話題に上がり、馳知事は「とんでもないことだ」と指摘した。
 全国でデジタル人材の育成・確保が課題となる中、都に対する国の対応が見えず、議論は広がらなかったが、馳知事は終了後の取材に「東京の人口や企業のボリュームが多いのは分かるが、原則は原則」と強調。地方で深刻化する少子化や東京一極集中への懸念などから「スクラップ・アンド・ビルドを都内の大学に要請すれば良いだけの話で、ルールを途中で変更してはいけない」と述べた。
 東京都は十八日、岡田直樹・デジタル田園都市国家構想担当相宛てで緊急要望を発出。デジタル分野などの先端分野は先行し、規制を早期に撤廃することや大学で育成した人材が日本全国で活躍できる環境を整備することなどを求めた。 (田嶋豊)

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