ハロウィーン当日の10月31日、大阪市の繁華街・ミナミには、夕方から仮装した若者たちが続々と集まった。夜には道頓堀の一角で歩きにくくなるほどの混雑が生じ、1日未明まで多くの人が行き交った。大阪府警によると、道頓堀から川に飛び込む人も朝までに8人を数えたという。

 南署によると、「グリコ」の大看板で知られる道頓堀には約2200人、アメリカ村周辺では約300人が集まった。コロナ禍で行動制限のないハロウィーンは3年ぶりだが、昨年と同程度という。府警幹部は「今年はハロウィーン関連のイベントが各地で復活し、人出がばらけたのではないか」とみる。

 道頓堀の戎橋(長さ26メートル)では午後5時ごろ、メイドや警察官、アニメキャラクターなどに扮した若者のグループがいくつも集まり、40~50人で写真撮影をしていた。その後も仮装した人たちは続々と増え、酒を飲んだり、たばこを吸ったりする人もいた。

 午後7時ごろには橋が歩行者でほぼ埋まり、警察官が「立ち止まらず歩き続けてください」と呼びかけを始めた。歩行者がとどまるのを防ぐため、午後7時55分ごろには、橋北側の宗右衛門町通りで車の通行が止められた。

 午後8時半を過ぎると、混雑が橋の南北の通りにも広がり、道路の脇で音楽を流して踊ったり、座って酒を飲んだりする人の姿がみられた。終電時間を過ぎても多くの人が残った。

 南署によると、道頓堀で31日夕方から1日朝までに川に飛び込んだのは8人。いずれも警察官が重点的に警備していた戎橋や御堂筋を外れた場所で、29日以降に川へ飛び込んだのは計9人だった。また痴漢、盗撮をしたとして府迷惑防止条例違反容疑でそれぞれ1人が検挙されたという。

 府警は今年、10月29日から最大200人態勢で警備に当たった。韓国・ソウル市の繁華街「梨泰院(イテウォン)」での雑踏事故を受け、31日は機動隊の応援を増やし、警戒を強化していた。(田添聖史)

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