「一票の格差」が最大で3・03倍となった7月の参院選をめぐり、投票価値の平等を定めた憲法に違反するとして、沖縄県内の弁護士が、県選挙管理委員会に対し沖縄選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決が2日、福岡高裁那覇支部であった。谷口豊裁判長は「合憲」と判断し、原告側の請求を棄却した。

 二つの弁護士グループが全国14高裁・高裁支部に計16件起こした一連の訴訟で、判決は9件目。仙台高裁は1日、選挙無効は退けつつ初めて「違憲」と判断している。これで「違憲」が1件、「違憲状態」が4件、「合憲」が4件となった。高裁判決は11月中に出そろい、最高裁が来年にも統一判断を示す見通し。

 今年7月の参院選は、定数1あたりの有権者数が最も少ない福井選挙区の一票の価値を「1」とした場合、最多だった神奈川選挙区の価値は「0・33」。格差は3・03倍で、3・00倍だった2019年の前回参院選より拡大した。今回の沖縄選挙区は「0・54」だった。(光墨祥吾、国吉美香)

朝日新聞 2022/11/2 17:10
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