【北京、ミュンスター時事】中国の習近平国家主席は4日、公式訪問で北京を訪れたドイツのショルツ首相と人民大会堂で会談した。習氏はバイデン米大統領が「民主主義国対専制主義国」と呼ぶ構図を念頭に「共に陣営対立を拒むべきだ」と訴え、ショルツ氏も「陣営対立に反対だ」と融和的な姿勢を示した。中国国営新華社通信が伝えた。

 先進7カ国(G7)首脳の訪中は、新型コロナウイルスの世界的感染が始まった2020年以降で初めて。10月の共産党大会後に総書記として3期目に入った習氏は、対独関係を強化し、日米欧の連携を揺さぶる考えとみられる。

 ショルツ氏は、米主導の半導体輸出規制など経済・貿易分野で進める中国との「デカップリング(分断)」に改めて反対を表明し、ドイツ最大の貿易相手国の立場に寄り添った。「中国と引き続き経済貿易協力を深化させたい」と呼び掛け、「欧州と中国の関係発展推進にドイツはあるべき役割を果たしたい」と約束した。ショルツ氏は今回、大規模な財界代表団を連れて訪中した。
 会談で習氏は、ウクライナ危機を巡り「国際社会は核兵器の使用や脅しに共に反対すべきだ」と語ったほか、アジアを含む「ユーラシア大陸に核危機が出現するのを防ぐべきだ」と指摘した。さらにロシアとの停戦協議に向けたドイツや欧州の「重要な役割を支持する」と強調した。

時事通信 2022年11月04日19時43分
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