内閣府が15日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.3%減、年率換算で1.2%減だった。マイナス成長は4四半期ぶり。GDPの過半を占める個人消費は新型コロナウイルスの第7波などの影響で伸び悩み、前期比0.3%増にとどまった。

市場ではプラス成長が続くとの見方が大勢を占めていた。QUICKがまとめたGDP予測の中心値は年率1.0%増だった。

マイナス成長に転落した主因は外需だ。前期比の寄与度はマイナス0.7%。GDPの計算で差し引く輸入が5.2%増え、全体を押し下げた。特にサービスの輸入が17.1%増と大きく膨らんだのが響いた。

内閣府の担当者は「広告に関連する業務で海外への支払いが増えた」と説明した。「決済時期のずれも影響した」との見方を示した。

内需も低調で、寄与度は前期のプラス1.0%から0.4%に鈍化した。柱の個人消費は前期比0.3%増にとどまった。コロナの流行第7波が直撃し、交通や宿泊関連などのサービス消費が伸び悩んだ。

耐久財は3.5%減と2四半期ぶりにマイナスに沈んだ。家電やスマートフォンなどが物価上昇の影響もあって振るわなかった。

内需のもう一つの柱である設備投資は1.5%増で2四半期連続で伸びた。企業がコロナ禍で持ち越した分の挽回も含め、デジタル化や省力化の投資を進めている。

住宅投資は0.4%減で5四半期連続のマイナス。建築資材の高騰が影を落としている。公共投資は1.2%増と2四半期連続で増えた。21年度補正予算や22年度当初予算の執行が進んだ。コロナワクチンの接種費用を含む政府消費は横ばいだった。

名目GDPは前期比0.5%減、年率換算で2.0%減となった。円安で輸入額が膨らんでおり、実質でみるよりマイナス幅が大きくなっている。

国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比0.5%低下とマイナスが続く。日本全体として輸入物価の上昇を価格転嫁できていない構図が浮かぶ。

家計の収入の動きを示す雇用者報酬は名目で前年同期比1.8%増えた。実質は2四半期連続でマイナスの1.6%減った。物価上昇に賃金が追いついていない。

日本経済新聞 2022年11月15日 8:52 (2022年11月15日 11:02更新)
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