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ミャンマーで拘束の久保田徹さん 恩赦できょう午後解放の情報
2022年11月17日 14時33分

軍が実権を握るミャンマーの最大都市ヤンゴンでことし7月、治安当局に拘束されたジャーナリストの久保田徹さんについて、軍の報道官はNHKの取材に対し、17日、恩赦で解放すると明らかにしました。

現地の日本大使館も、当局から17日に釈放するとの連絡を受けたということで、詳細について現在、確認中だということです。

ジャーナリストの久保田さんはことし7月、ヤンゴンで軍に対する抗議デモが行われていた現場にいたところを治安当局に拘束されました。

久保田さんは、その後、観光ビザで入国し抗議デモを撮影したとして、先月入国管理法違反などの罪で有罪判決を受け、合わせて10年の刑期が言い渡されていました。

このため、現地の日本大使館はミャンマー当局に早期解放を求めていました。

軍の報道官はNHKの取材に対し、久保田さんを17日、恩赦で解放すると明らかにしました。

外務省にも解放の情報
外務省によりますと、ミャンマーで治安当局に拘束された久保田徹さんについて、17日午前、現地の当局から日本大使館に対し、現地時間の17日午後に解放するという連絡が入ったということです。

久保田さんの健康状態に問題があるという情報はないということで、外務省が詳しい状況の確認を進めています。

イギリスの元駐ミャンマー大使らも解放へ
ミャンマー軍の報道官は17日、NHKの取材に対し、現在拘束されているアウン・サン・スー・チー氏の経済顧問を務めていたオーストラリア人のショーン・ターネル氏と、イギリスの元駐ミャンマー大使のビッキー・ボウマン氏、それに元民主活動家のティン・リン氏を恩赦で解放することを明らかにしました。

ショーン・ターネル氏は国家機密法違反の罪でことし9月、禁錮3年の有罪判決を言い渡され、ビッキー・ボウマン氏はことし8月、入国管理法違反の疑いで拘束され、取り調べを受けていました。

国営放送は、ミャンマー人ら5774人に恩赦が与えられ、17日に釈放されると伝えていますが、この中に複数の罪に問われ有罪判決を受けているアウン・サン・スー・チー氏についての言及はありませんでした。

友人の北角裕樹さん「まだ安心できない」
久保田徹さんの友人で、自身も去年ヤンゴンで治安当局におよそ1か月間拘束されたジャーナリストの北角裕樹さんはNHKの取材に対し「解放に向けて動き出したことはうれしいが、帰国するまではまだ安心できません」と話しています。

そのうえで「久保田さんが解放されたとしてもいまも1万人以上の人たちが拘束されているとされ、全員の解放が必要だ。民主的な体制にならないかぎり問題の解決とは言えず、これで終わりという気持ちには決してならない」と話していました。