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時事通信

旧統一教会の解散は可能なのか オウム真理教との違い
11/20(日) 10:00

 宗教法人の解散命令は、宗教法人法の第81条で次のように規定されている。

「裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる」

 これを根拠に、最初の解散命令が出されたのがオウム真理教だった。地下鉄・松本両サリン事件などを引き起こしたばかりでなく、化学兵器サリンと密造した自動小銃で武装蜂起まで企んでいた、もはや宗教法人というよりテロ組織あるいは殺人集団と呼ぶべき団体だ。
1995年3月の地下鉄サリン事件後、警視庁による一斉家宅捜索で、さまざまな事件が白日の下にさらされると、同年6月に所轄庁の東京都と東京地検が解散命令を請求した。
それもサリン製造を企てた殺人予備行為が、第81条に該当するとした。同年10月には東京地裁が請求を認めて解散命令を出し、翌96年1月には最高裁で最終的に決定している。

 ただ、解散命令といっても、宗教法人法によって認証された宗教法人としての解散であって、いうなれば法人格を剥奪され、法人は清算され、税制上の優遇もなくなるが、認証以前の任意の宗教団体としては存続が認められる。
集会結社の自由まで奪うものではなく、そこで信教の自由は保障される。それは、オウム真理教の後継団体が「Aleph(アレフ)」「ひかりの輪」「山田らの集団」の三つに分裂、名前を変えて今でも活動を続けていることからも分かる。

 ◇腰が重いワケ

 オウム真理教や明覚寺の事例に比べ、旧統一教会への解散命令請求に政府の腰が重いのは、過去の2件が刑事処罰の対象となったことに対し、旧統一教会には刑事事件での有罪事例がないためだ。
2009年には不安をあおって印鑑を売りつけたとして、統一教会信者が刑事訴追され、有罪判決を受けているが、高額献金の返金などの民事訴訟はいくつもあっても、教団や幹部が刑事訴追されたことはない。

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 ◇勧誘活動は止められない

政府は「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」を立ち上げ、9月には合同相談窓口を設置。ここでようやく政府が初めて被害実態を把握できたことになる。そこで寄せられた旧統一教会に関する相談が1700件余りあり、このうち警察につないだ案件が70件程度あったとしている。
これで刑事事件として立件され、教団の罪が問われることになれば、前例にならって解散命令請求もしやすくなる。ただ、それも有罪が確定するまでには相当の時間がかかる。

 いずれにせよ、解散命令までこぎ着けたとしても、あくまで法人格を失うだけで、オウム真理教がそうであるように、任意団体としては存続が認められ、宗教活動も続けられる。
そのオウム真理教の後継団体は、今でも名前を隠した勧誘活動を行い、2019年10月時点で現金などの資産が12億9000万円あったことが、公安調査庁に報告されている。

 集金能力に長けた旧統一教会が仮に法人格を失ったとしても、今のような勧誘、献金活動は続けられることを、あえて言及しておく。

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