スナネコのこどもがお引越し 新生児の約半数は1歳になれない現実 | FRIDAYデジタル
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4時間前

神戸どうぶつ王国(以下、神戸)で誕生したスナネコが、那須どうぶつ王国(以下、那須)へ引越しをした。理由は性成熟が近づき、きょうだい間の繁殖を避けるためだという。

今年の2月2日、那須では「ショジャー」「アルド」のオス2頭、「ナジュム」のメス1頭のあわせて3頭。神戸では2月19日に「シスイ」「ヤシュ」のオス2頭、「ロカ」「ジウ」のメス2頭のあわせて4頭が誕生した。

一見すると、順調に育ったように見えるかもしれない。けれどもそこには、赤ちゃんの生命力や母親の母性に支えられながら、飼育スタッフが見守り、繋いだ命の物語があった。

当初の引越しプランは那須には女の仔、神戸には男の仔と分ける予定だった。そこで那須のショジャーとアルドが神戸に引越し、シスイとヤシュに合流。そして神戸のロカとジウが、那須で待つナジュムに合流するプランで進んでいた。しかしその矢先、思いもよらないことが起こった。

9月24日の朝、ナジュムは生を全うし、天に召された。

「ナジュムは大人っぽい性格で気高い仔でした。私どもも育てていた仔を亡くしたのは初めてのことで、大きなショックを受けましたが、今後もスナネコの健康を守るため万全を尽くしていきます。

スナネコを好きになってくださった皆様は、いま深い悲しみのなかにいるかと思います。ナジュムを愛して下さって心から感謝いたします」と飼育スタッフの橋本渚さんはナジュムを偲び、ファンへの感謝を語った。

スナネコは砂漠地帯に暮らす野生動物だ。自然保護区や国立公園、動物園では、その生態系の保全や種の保存が行われる希少動物である。

国際的な飼育下での繁殖では、生後30日目までの死亡率が30%、さらに生後1年目までの死亡率は13%と、新生児の約半数が命を落とす。また生後48時間以内が最も死亡率が高いと報告されている。

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初めて複数頭の出産を乗り越えた神戸どうぶつ王国

(略)


取材・文・撮影:椙浦菖子(元臨床獣医療従事者)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。