拘置所は悲惨だったかもだけど刑務所はなかなか快適そう


>>刑務官に車椅子を押されて面会室に入ってきた幸三は、拘置所の頃よりは幾分か、顔色がいいように感じられた。
 アクリル板を挟んでの会話だが、耳に不自由もないようだった。
「毎日、日が昇るたびに、亡くなった方々のご冥福を祈っています」
 自宅にいる時と変わらず、はじめに遺族と被害者への謝意を述べた。
 幸三は禁固刑なので作業はなく、読書をしたりしている様子だった