関西電力は25日、令和7年で運転開始から40年を迎える高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、開始後60年となる27年まで運転期間を延長する認可申請を原子力規制委員会に行うことを決めた。地元の了解を得たうえで6年までには申請したい考え。関電が運転延長を申請するのは美浜原発3号機(同県美浜町)、高浜1、2号機に続いて4、5基目。

火力の燃料費高騰で大手電力が相次ぎ電気料金の値上げを迫られる中、原発4基が稼働している関電は値上げを表明していない。運転延長で中長期的にも原発を重視する姿勢を示す。

高浜3号機は昭和60年1月、4号機は同6月に運転を開始。原発の運転期間は法律で原則40年、最長60年と定められている。美浜3号機、高浜1、2号機は延長認可を受け、美浜3号機は昨年6月に40年を超えて再稼働している。

関電は今回の延長申請に向けて、特別点検で原子炉容器などに異常がなく、設備の健全性評価(劣化状況評価)で問題がないことを確認。タービンを回すための「蒸気発生器」の交換など延長期間の施設管理方針をまとめた。

蒸気発生器の交換などは重要施設の変更になるため、関電は同日、安全協定に基づき地元の福井県、高浜町に事前了解願いを提出した。関電の片岡秀哉・原子燃料サイクル部長は記者会見で「了解を得たタイミングで延長の認可申請を行いたい」と述べた。


政府は原発の運転期間の上限を撤廃し、60年超の運転を可能とする方針だが、片岡氏は「検討状況を注視したい」と述べた。(牛島要平)

産経新聞 2022/11/25 19:19
https://www.sankei.com/article/20221125-KO5ZWGK23JMH7IBFOLO6CN5NNU/