【ブリュッセル時事】英国防省は27日公表の最新のウクライナ情勢分析で、ロシアは東部ドネツク州中南部地域を「今後の進軍拠点」として重視しているもようだが、状況を打破するだけの質を誇る部隊を集めることは困難だとの見方を示した。同地域での攻防では、ロシア海軍歩兵部隊に多大な被害が出ているという。

 英国防省は、ウクライナ軍、ロシア軍とも同地域に戦力を投入しているものの、双方の支配領域は過去2週間、ほぼ変化していないと指摘。「ロシアが作戦上の局面打開に必要な質を備えた兵力を集結させることは恐らくできない」と分析した。
 ウクライナ軍参謀本部は27日、ドネツク州などで前日の戦闘だけで600人のロシア兵が死亡したと推計した。また、ロシアが来月10日から追加動員を計画しており、準備を進めているとの情報を入手したと発表した。
 一方、米シンクタンク、戦争研究所は26日に発表した戦況分析で、ウクライナ東部から南部にかけては、大雨により前線の作戦行動が鈍化していると説明。その上で、今後1週間はウクライナ全域で気温の低下が予想され、「地面の凍結によって両軍の機動力が増し、戦闘のペースが上がる可能性がある」と予測した。

時事通信 2022年11月28日07時12分
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