東京五輪・パラリンピックのテスト大会業務をめぐる入札談合事件で、大会組織委員会が入札前に、受注企業の候補をまとめた一覧表を作成していたことが、関係者への取材でわかった。組織委の担当次長(当時)が広告最大手「電通」側に、各社の意向を調べて表を完成するよう依頼していたという。東京地検特捜部と公正取引委員会は28日、新たに広告大手「博報堂」など4社を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索し、全容の解明を進めている。

 受注調整が疑われているのは、組織委が2018年に発注したテスト大会の計画立案業務で、競技ごとに計26件の競争入札が実施された。契約金の総額は約5億4千万円で、9社と1共同企業体が落札した。

 関係者によると、組織委で発注業務を担当した大会運営局の次長は、入札を公募する前の17年、競技ごとの受注候補先をまとめた一覧表を作成。業界トップの電通側に相談し、各社に聞き取りをして表を完成してほしいと協力を求めた。

 電通側は、参加が見込まれる企業に受注意向や得意とする競技を確認して一覧表に記載し、元次長と共有したという。

 一覧表は随時更新され、結果的に落札企業はほぼ一覧表の通りになった。26件のうち大半は、1社しか参加しない「1社応札」になったという。

 受注調整は、元次長と電通から組織委への出向職員、電通本体の担当者の3者が主導したとみられることが判明している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fd8d2c58b6117eb8f30687dc18de83d6e58c62cc