12/2(金) 9:00配信
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 人口10万人当たり何人ががんで死亡したかを示す青森県の2021年の75歳未満年齢調整死亡率は86.9となり、04年以降18年連続で47都道府県中最も悪かった。国立がん研究センター(東京)が1日までに公表した。前年から0.7ポイント改善し、同センターが統計を公表している1995年以降では最も死亡率が低くなった。しかし、全国平均の67.4からは依然として大きな開きがある。主要部位のうち、肺がんや肝がんなど5部位の死亡率も全国ワーストだった。

 青森県と全国平均との差は19.5ポイントで、前年より1.5ポイント拡大した。男女別の死亡率も、男性は18年連続、女性は10年連続でワースト。男性の死亡率は前年から5.5ポイント改善し108.2、女性の死亡率は3.7ポイント悪化し68.2だった。

 主要部位の中で全国ワーストとなったのは胃がん、大腸がん、肺がん、肝がん、乳がんの5部位。大腸がんのワーストは16年連続で、肝がんは前年の42位から五つ順位を下げた。

 国立がん研究センターの統計資料によると、95年以降で青森県のがん死亡率(男女計)が最も高かったのは96年の117.1。その後は中長期的に改善傾向が続いている。主要部位別では、胃がんが改善基調で、大腸がんや肺がんは横ばい。乳がんや子宮がんは、近年悪化傾向がみられる。

 県がん・生活習慣病対策課の担当者は「がん検診の受診率はおおむね全国を上回り、検診の質を高める市町村の取り組みも確実に広がっている。がんになるリスクを減らすための生活習慣改善、早期発見・早期治療につながるがん検診受診率の向上など、継続して取り組みを積み重ねる必要がある」と話した。

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がん年齢調整死亡率 75歳未満を対象に高齢化の影響を排除し、地域間の年齢構成のばらつきによる影響が出ないよう、統計上の調整をして算出する。現実の年齢構成で計算すると、高齢者が多い地域が高めに出る傾向があることから導入された。人口動態統計のがん死亡率より正確に死亡率の年次比較をすることができる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/180309648ef29c8dc60bcebf249a7caad2874f0c