なぜ2022年の今、梅毒の新規感染者が急増したのか。首都圏でソープランド3店を経営する男性は次のように話す。

「原因は、新型コロナだよ。コロナのせいで、これまでの風俗のあり方が根っこから変わってしまったんだ。
店のサービスも、客の要求も、女の子の質も何もかも。ちょっと前には考えられない状況になった。よく考えれば、その変化がことごとく梅毒を増やす要因になったんだ」

コロナ禍においてソープランドを利用するのは、新型コロナどころか、性感染症すら気にしないような人たちだ。
病気を怖がる人は遊びに来なくなり、そうでない人の割合が増えていく。すると、店としてはサービス内容を後者の人間に合わせなければならなくなる。

先の経営者は次のように述べる。「お客さんが病気のことをあまり気にしなくなったね。それでノースキン(コンドームなし)の要求が急激に高まったんだ。
ノースキンの個人売春に慣れたということもあったかもしれない。

いずれにせよ、ノースキンの店ばかり客が集まるもんだから、今までそうじゃなかった店もノースキンに切り替えざるをえなくなってきた。
ノースキンじゃなきゃ、店はやっていけないという事態になったんだ。こうなれば、当たり前の話だけど、性感染症は広まるよな」

吉原のソープランドの経営者は言う。「吉原もノースキンブームだね。ノースキンじゃないと店がつぶれるくらいだよ。でも、これじゃ、梅毒は広まるばかりだよね。
だって、今まで潜在的な梅毒感染者がたくさんいたところに、ノースキンに個人売春となれば、どうやったって感染拡大しないわけがないじゃないか」

国が発表した統計によれば、梅毒感染者を年代別に分けると、梅毒感染者を年代別に分けると、もっとも多い層が男性が30〜34歳、女性が20歳〜24歳となっている。
人数としては、男性が女性の倍くらい多い。これについて先の経営者は次のように分析する。

「男と女で10歳違うってことは、普通に考えれば風俗での感染だろ。一般的には、恋人じゃここまで年齢は離れないし、そもそも経験の少ない20代前半の女の子の感染率が高くなるわけがない。
また女の子が売春を介して多数の男性とセックスして感染を広めていると考えれば、男の感染者が多くなるのは当たり前だよね」

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