退職金も年収も激減し…多くの60?70代が直面する、貯蓄1500万円の「厳しすぎる現実」

〈年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働く――。〉

9万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。


退職金がどんどん減っている!
退職金が大きく減っていることはご存知だろうか。

〈2003年に2499万円あった退職給付金額は、2018年には1788万円と、近年急速に減少している。退職金額が減少している背景には、バブル崩壊以降の低金利によって退職積立金が減少していること、などが影響している。

近年、退職金制度を取り巻く状況は大きく変わっている。

日本企業では歴史的に給付額が約束されている退職金のみを支払う企業がほとんどであったが、バブル崩壊による低金利などを背景に前払い賃金の性格が強い確定拠出年金への移行が進んでいる。〉(『ほんとうの定年後』より)

60代の平均資産は1500万円
定年後には当然ながら、収入も大きく下がることになる。

〈60歳以降の就業者全体の年収分布をみていくと、60代前半では平均収入は357万円で、上位25%所得は450万円、収入の中央値は280万円となる。

60代後半に目を移すと平均額は256万円まで下がり、上位25%所得は300万円、中央値が180万円まで下がる。

定年後の就業者の収入の実態を探っていくと、300万円以下の収入の人が大半であることがわかる。〉(『ほんとうの定年後』より)

また、貯蓄や負債については、『ほんとうの定年後』では、〈平均的な60代の家計が有する資産は、中央値の1500万円程度」「負債額は年齢を重ねるごとに縮小していく。40代では1052万円、50代に578万円、60代には190万円まで減少し、定年後にはほとんどの家計が住宅・土地に関する負債を完済する〉とデータをもとに紹介している。

老後にいくらあれば安心なのか。どれくらいの負債をいつまでに返しているのか。

統計データから実態を知ることで、漠然とした不安を少しでも和らげておきたい。

現代ビジネス 2022.12.17
https://gendai.media/articles/-/103453