クリスマスにも値上げの波、ケーキ・おもちゃの価格上昇…節電でイルミネーションも抑制
2022/12/17 12:07
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221217-OYT1T50111/


物価高の中、クリスマス商戦にも値上げの波が押し寄せている。クリスマスケーキは小麦粉などの原材料や包装材の高騰で5%ほど値上がりし、ゲームやおもちゃといった商材の価格も軒並み上昇。イベントでは節電のためイルミネーションを抑える動きもみられ、消費の盛り上がりへの影響が懸念される。

「小麦粉や生クリーム、バターなどケーキ作りに必要な食材のほとんどが値上がりし、価格を上げざるを得なかった」。東京都葛飾区の洋菓子店「森のケーキ屋 どんぐり」の橋本典子店長(56)は話す。

クリスマスケーキ4種類の販売価格は昨年よりも300円引き上げ、サンタクロースの生菓子がのった人気の「生クリームケーキ」(5号)は税込み3500円が3800円に。仕入れ価格の高騰は続き、「他のケーキも値上げを検討するしかない」という。

帝国データバンクが全国のコンビニや百貨店、洋菓子店など100社を対象に調べたところ、今年のクリスマスケーキの平均価格は前年より209円(5・5%)高い4040円。値上げした社は全体の8割に達した。持ち帰り用の箱や食品用フィルム、電気やガス代なども上がっており「利益を出すためには値上げせざるを得ない」(業界関係者)状況だ。

プレゼントの定番、ゲーム機やおもちゃの値上げも相次いでいる。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、「プレイステーション(PS)5」(ディスクドライブ搭載版)の希望小売価格を10%高い6万478円に引き上げた。タカラトミーは「プラレール」「リカちゃん」など331商品を平均で1割ほど値上げ。バンダイも「ウルトラマン」のソフトビニール人形などを値上げした。

物価高や節電要請はクリスマス関連イベントにも影を落としている。仙台市のイルミネーションイベント「SENDAI 光のページェント」は、LED電球や設営コストの上昇に伴い電球の数をコロナ禍前の60万個から47万個に削減。東京・渋谷駅近くで3年ぶりに行われる「青の洞窟 SHIBUYA」は開始時期を1週間ほど遅らせて8日からとし、年末の点灯も取りやめ25日で終了する。

調査会社のインテージは今年のクリスマス関連市場規模を前年比9・4%増の1兆9526億円と試算する。行動制限の緩和で外出は増えそうだが、消費の盛り上がりは見通せない。