「妊娠したかもしれない」 

静岡県の公立中学校の養護教諭・本間江理子さんは、かつて女子生徒からこう相談された。
女子生徒の相手は、年上の少年だった。
本間さんは、保護者も交え相談を重ね、女子生徒はその後、中絶することを選んだ。

県内の中学校では、女子生徒が妊娠し、出産したケースもあったという。

思春期の男女が起こす性のトラブルは深刻なものも少なくない。
日々こうしたトラブルと向き合う先生たちは、学校の性教育に危機感を感じている。

「性交」に関わるトラブルが多いにもかかわらず、文部科学省が定める学習指導要領に、授業で性交について教えにくい「はどめ規定」があるからだ。

「はどめ規定」とは、一体何なのか?また何のためにできたのか?

「性交」について教えるのを避け、十分な性教育が行われていないと指摘される学校で、先生たちはどんな懸念を募らせているのか。

先生たちが感じる性教育の必要性

静岡県の公立中学校の養護教諭・浅井佐智代さんは、以前勤務していた学校で、生徒同士のカップルにこんなトラブルがあった。
「付き合ううちにだんだんエスカレートしてきて、片方の子が一方的に相手の身体を触りたい。相手の子はためらっていたけど、断ったら嫌われるのではないかと悩んで相談に来ました」
2人の関係に気づいた先生らが、交際について授業で取り上げたという。

養護教諭の本間江理子さんは「どこの学校でも、こうした性に関する問題は現実に起こっています」と話す。

「早いうちからの性教育が必要だと感じています。自分の身体を守るとか、相手を大切にするとか、そういうところから育んでいかないと、本当の意味で「性は人権だ」という認識にたどり着かないのではないかと思います」

静岡県内では、6年前、生後間もない乳児の遺体を遺棄したなどとして高校生の男女が逮捕された。

中学校の元教諭・松林三樹夫さんは、事件を聞き、性教育の必要性を痛感した。
「性交すれば、妊娠の可能性があるということ、妊娠を望まなければしっかり避妊しなくてはいけないということ。そうした基本的な性教育がされていないから、こうした悲しい事件が起こる。私たちは、子どもたちを被害者にも加害者にしたくないんです。それは大人の責任だと思います」

「中学を卒業したら、進路はバラバラです。だから、義務教育の間に平等に性教育をしておかなくてはいけないと思うのです」(本間さん)(以下ソースで)

12/17(土) 11:01配信 テレビ朝日系(ANN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/07c8d99fe4c22467c73f61093cb17ab823eb3636?
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