帯状疱疹の原因はコロナワクチン?米国の研究チームが報告
日刊ゲンダイヘルスケア2022年12月18日
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278496

 新型コロナウイルスワクチンを接種した後に、帯状疱疹を発症したとされる症例が報告されています。帯状疱疹は、水ぼうそうと同じヘルペスウイルスによる感染症で、帯状に広がる皮膚の発疹が特徴です。
 このウイルスに初めて感染した場合、水ぼうそうを発症しますが、病状が治癒してもウイルスは神経の奥深くで休眠状態となります。何らかの原因で免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化し、皮膚に発疹をもたらすのです。
 新型コロナウイルスに感染すると、帯状疱疹を発症しやすくなることが報告されており、ワクチン接種との関連性にも関心が集まっていました。
 そんな中、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに、新型コロナウイルスワクチンと帯状疱疹の関連性を検討した研究論文が2022年11月1日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、新型コロナウイルスワクチンの接種後に帯状疱疹を発症した1451人の患者(平均51.6歳)が対象となりました。ワクチン接種と帯状疱疹に因果関係がある場合、ワクチンを接種してから短期間で帯状疱疹を発症することになります。
 一方、ワクチンの接種から時間が経って発症した帯状疱疹は、ワクチン以外の原因である可能性が高いでしょう。この研究では、ワクチン接種の翌日から30日以内をリスク期間、接種から60~90日を対照期間と定義し、2つの期間で帯状疱疹の発症率が比較されています。
 解析の結果、リスク期間における帯状疱疹の発生率は、対照期間と比較して9%低い傾向が示されました。論文著者らは「新型コロナウイルスワクチンによる帯状疱疹の増加は認められず、副反応の懸念に反論できる根拠として役立つ」と結論しています。
(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)

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