139年の歴史の紙の官報、電子版を正本に…登記申請など手続きに利便性
2022/12/19 21:08 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221219-OYT1T50233/


政府は官報のデジタル化に向け、来年1月に電子版官報に法的な効力を持たせる方針だ。登記申請などの手続きで電子版を提出することができるようになり、利便性が向上する。将来的には電子版を正本と位置づけ、紙版からの移行を目指す。

国立印刷局は1999年から、紙版の官報と同じ内容の電子版をインターネットで公開している。しかし、法的な効力がないため約40の手続きで紙版を提出する必要があり、経済界から「手間がかかる」と見直しを求める声が出ていた。

政府はまず電子版に法的な効力を認めるよう1月に閣議で了解し、その後に正本を紙版から電子版に切り替えるための新法を国会に提出する。

法令の公布時刻は、紙版を東京都港区の国立印刷局前などにある掲示板に貼る午前8時30分とされているが、電子版が正本になれば、こうした掲示作業も不要になる見込みだ。1883年(明治16年)に創刊された官報が大きく変わることになる。

諸外国でも電子版への移行が進んでいる。フランスでは2016年に紙版の出版が終了し、ドイツは電子版を正本とする改正案が今年12月に成立した。