厚生労働省は23日、2020年の都道府県別の平均寿命を発表した。

女性は前回調査(15年)で2位だった岡山が88.29歳でトップとなった。男性は滋賀が82.73歳で2回連続で首位となった。
平均寿命が最も低かったのは前回と同様に男女とも青森で、男性は79.27歳、女性は86.33歳だった。

都道府県別生命表は1965年から5年ごとに公表。国勢調査の実施年(今回は20年)を含む前後計3年分のデータから算出している。

全国平均は前回より男性が0.72歳延びて81.49歳、女性が0.60歳延びて87.60歳だった。

女性では前回2位の岡山が、同1位だった長野を追い抜いた。岡山がトップになったのは70年調査以来。
今回の調査では滋賀(88.26歳)、京都(88.25歳)が続き、長野(88.23歳)は4位だった。

男性では2010年まで5回連続で長野が首位だったが、滋賀が前回に続き1位となった。
食塩の摂取量が少なく、喫煙者も少ないことが影響しているとみられる。

長野(82.68歳)は前回と同じ2位で、奈良(82.40歳)、京都(82.24歳)が続いた。
滋賀、長野、京都の3府県は男女ともに上位4位以内に入っている。

沖縄は女性が05年まで1位となるなど長寿県として知られていたが、今回の調査では16位(87.88歳)。
男性も1985年の1位から次第に低下し今回は43位(80.73歳)だった。75歳の平均余命は女性で1位、男性で2位だが、若い世代の平均余命の延びが小さい。

厚労省は「食生活などの変化が影響している可能性がある」と指摘している。

2020年には新型コロナウイルスが流行。平均寿命に与えた直接的な影響は、男性では大阪(0.12歳)、
沖縄(0.11歳)、東京(同)の順に大きかった。女性では沖縄(0.10歳)、大阪(0.08歳)、東京(0.07歳)の順で、男女とも東京、大阪、沖縄で影響が大きかった。

新型コロナによる死亡を除いた全国の平均寿命は男性で0.05歳、女性で0.03歳延びていたという。感染対策もあり、海外に比べて影響が少なかった。

がん、心疾患、脳卒中の3大疾患を除いた平均寿命は男性で6.63歳、女性で5.44歳延びる計算でコロナ以外の対策も不可欠だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22DCG0S2A221C2000000/