毎日新聞 2022/12/26 20:24
https://mainichi.jp/articles/20221226/k00/00m/040/252000c


千葉県松戸市の外郭団体「市シルバー人材センター」の石井久雄理事長が複数の職員にパワーハラスメントをした疑いがあることが、複数の関係者への取材で判明した。
8人の常勤職員のうち2人が退職、1人が休職に追い込まれており、市も問題を把握している。一部の理事が26日、理事長の解任に向けて臨時理事会を開催するよう同センターに申し入れた。

⬛常勤8人のうち2人退職、1人休職

同センターは、市の委託を受けて高齢者雇用の窓口役や調整を担う団体として1993年に設立された。2012年に公益社団法人化して以降、歴代理事長は市OBが務めている。石井氏は市総合政策部長などを歴任し、今年7月に同センター理事長に就任した。
複数の関係者や申し入れ書によると、石井氏は理事長就任後、一部の職員を大声で繰り返し叱責した。こうした扱いに耐え切れず、30代の男性職員が10月末、40代の男性職員が11月末にそれぞれ退職を余儀なくされた。40代の女性職員も体調を崩し、10月下旬から休職している。

市もこうした事態を認識しており、11月中旬までに関係者のヒアリングを実施。報告を受けた伊藤智清副市長は石井氏に対し、2度にわたって口頭で注意するとともに、職員に釈明するよう促した。
石井氏は26日、毎日新聞の取材に対し、大声での叱責を認めた上で、「しっかりと働かない職員がおり、事務局長が指導しても直らなかったので、組織のためにやむを得ずやった」と説明した。

⬛「もはや人間扱いされず」元職員

 退職に追い込まれた元職員の一人が毎日新聞の取材に応じた。元職員によると、石井氏による叱責は就任直後の7月上旬から始まった。

「お前の字はうそばかりついている字だ」
「パソコンもできないじゃないか。幼稚園児でもできるぞ。辞めちまえ」
「散々サボってきたお前は(さび取り剤の)『クレ5―56』でさびを落とさないといけない」

などと何度も大声で罵倒された。
他の職員が見ている前で、「非常勤で転々としてきたんだろう。都合が悪くなる度に逃げて来たじゃないか」と過去の職歴を暴露されたこともあったという。

元職員は「もはや人間扱いされず、つらかった。母親に話したら、涙を浮かべていた」と声を震わせた。