ウクライナ軍参謀本部は26日、24〜25日にかけて南部ヘルソン州と東部ルガンスク州のロシア軍部隊の密集地域を攻撃し、計約300人を死傷させたと発表した。
一方、露国防省は26日、最激戦地のバフムト方面を含む東部ドネツク州でウクライナ軍部隊計170人を死傷させたと主張。

東部や南部で激戦が続いているが、バフムト方面では露軍の攻勢が弱まりつつあるとの観測も出ている。

ウクライナ軍参謀本部は、露軍は負傷兵の増加に苦しんでおり、各地の民間病院を接収して治療を施しているとも指摘した。

東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)全域の制圧を主目標とする露軍は7月にルガンスク州の制圧を宣言した後、
残るドネツク州の掌握を狙い、要衝のバフムトに数カ月間にわたって攻撃を継続。

露軍は露民間軍事会社「ワグネル」の部隊や招集兵も投入し、損害を出しつつも攻勢を維持しているとされる。

一方、ウクライナ軍はバフムトで露軍に損害を強いつつ、南部ザポロジエ州やヘルソン州、
ルガンスク州などで反攻の機会をうかがっているとの観測が強い。

バフムトを巡る攻防について、米シンクタンク「戦争研究所」は24日、露軍は損害拡大や弾薬不足が進んでいると指摘。
「露軍が余力を失ったと評価するには時期尚早だ」としつつも、「露軍は従来のような前進速度を維持できなくなる可能性が高い」と分析した。

ロイター通信によると、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も最近、
米諜報データとして「ワグネルはここ数週間、バフムトで1000人の戦死者を出した」と指摘した。

カービー氏によると、ワグネルは契約兵1万人と露刑務所から勧誘した囚人4万人の計5万人の戦闘員を戦線に投入している。

https://www.sankei.com/article/20221227-6SMNWCC5HZPKNHADUIXW2CJAZY/

ウクライナ東部ドネツク州バフムト付近のロシア軍陣地に向けて攻撃するウクライナ兵=16日(AP)
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