※熊本日日新聞 | 2023年1月7日 08:30

熊本市がホームページで公表している自治基本条例の改正内容。市民の定義に「外国の国籍を有する者を含む」を追加した
 熊本市が、市自治基本条例の「市民」を定義する規定に、外国人を新たに加える方向で条例の改正準備を進めていることが6日、分かった。国際的な観点から「外国人の街づくりへの参加が必要」と判断したためで、4月1日の改正を目指している。同様の条例を設けている政令指定都市は6市あるが、外国人を「市民」と明記するのは熊本市が初めて。

 熊本市の自治基本条例は市政や街づくりへの市民参加を促すために2010年4月に施行。自治の基本理念のほか、市民、議会、行政の役割と責務も定めている。

 現行条例は「市民」について①市内に住所がある②市内に通勤・通学する③市内の事業者・地域団体・市民活動団体─と規定。一方、現状の改正案では外国の国籍を持つ人でも①~③の要件に該当すれば「市民」に含むことを明記した。地域コミュティー活動への外国人の参加を念頭に、多文化共生社会を推進する趣旨の文言も付記している。

 市の担当者は「今後は海外企業の進出で外国人の増加が見込まれる。新たに熊本で暮らす外国人に『市民の一員』という意識を持ってもらう目的もある」と説明する。

 今回の条例改正は4年に1度をめどに実施する内容の見直しに基づく。学識者や住民代表ら10人でつくる自治推進委員会が4回にわたって審議。大西一史市長への答申を経て、市は昨年12月7日に条例改正素案をまとめ、20日に市民らの意見公募を始めた。

 ところが外国人を「市民」とすることへの誤解が広がり、100件を超す意見が殺到。「参政権を与えるのか」といった反対意見が多くを占めており、市は「改正案は日本国籍を持たない人に選挙権を認めるものではない」と反論。同様の文言を今月5日、ホームページにも載せた。

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