去年は初めて党四役を拝命し、国会で答弁する側ではなく、国民の近くで仕事ができたと思っています。地方の経済は深刻で、一人一人が大変な思いをしています。地方に寄り添い、国民の期待に応えられるように頑張らないといけないと感じました。

まさかの安倍晋三元首相が7月に、地元・東京都八王子市選出の西山賢都議も8月に45歳で亡くなりました。政治的には手足をもがれるような1年でした。失望感があり、やる気がなくなる思いもしましたが、それでは2人が報われません。

今年は8月に還暦を迎えますが、12年前は落選中で、年男として張り切るのは今年が最後かな。今年の前半には統一地方選があります。党幹部として政策を一日も早く届け、地方議員や有権者に分かりやすく伝えていきたいと思います。

安倍さんが生前に「台湾有事は日本有事、日米同盟の有事」と話していたことが、現実になりつつあると危惧を感じています。昨年末、国内総生産(GDP)比2%の必要経費の確保を目指し、防衛力の強化を決定しました。戦争する国ではなく、戦争しない国であり続けるためのコストだということをしっかり訴えていくことが、私の大切な仕事だと思っています。

私たちが重視しているのは「人への投資」です。

新型コロナウイルス禍の前までは、日本は大抵のことはできる、カネがあれば何でも買える、とややのぼせていました。しかし、世界の物流が止まった瞬間に日本で物が作れなくなった。半導体のチップが一つ足りないだけで自動車工場が止まりました。

自己完結できる国にする。国家戦略として人を育て、モノを作り、技術で勝負していかないと、国として成り立たないと痛切に感じています。

(岸田文雄政権が進める)「新しい資本主義」って何?と聞かれたときに、私は「官と民がお互い一歩前に出る政策です」と説明しています。すべてを市場に任せると、日本にはミッシングパーツ(不足している部分)ができます。

例えば医学の世界で自由に任せていたら救急・救命をやる人がいなくなりかねません。社会に必要な分野と人材を考え、奨学金などを組み合わせ、志ある人たちに挑戦してもらい、足りないところを埋めてもらう取り組みが必要だと思います。

やはり「人」です。私は両親が共働きの普通の家庭から閣僚や党四役にしてもらいました。家庭の経済事情によって職業選択が縛られる国には魅力がないですよね。本人が努力すれば必ず道は開ける国にすべきだし、家庭に困難な事情がある子供には手を差し伸べていきたい。そうした中から国を背負う人が出てくると思っています。

(略)
https://www.sankei.com/article/20230107-CXJC37MT7ZN4PO62KTX5P6O3XE/