7日午前10時すぎ、南陽市宮内の住宅地で、「人がイノシシにかまれている」などの110番通報が相次いだ。かまれたのは男女3人で、それぞれ川西町の公立置賜総合病院に搬送された。うち40代の女性が右ふくらはぎをかまれ、置賜広域行政事務組合消防本部南陽消防署によると、重傷という。イノシシは同日午後0時19分、地元猟友会などによって駆除された。

 南陽署と置賜広域行政事務組合消防本部南陽消防署などによると、負傷したのは同市外に住む40代女性と10代女性の母娘、現場付近に住む70代男性の計3人。親子は同日午前10時20分ごろ、宮内の店で買い物をするため店舗裏の駐車場に車を止めて店内に向かおうとした際、母親が右ふくらはぎ、娘が右太ももをかまれた。70代男性は同10時25分ごろ、宮内中南側の自宅付近の路上で右足の太ももとふくらはぎをかまれた。40代女性は出血が激しいという。

 赤湯猟友会によるとイノシシは体長約1.5メートルの雄で、体重は約130キロ。熊野大社周辺も含めて午前10時ごろから地区内を徘徊(はいかい)していたとみられ、同10時15分と同10時20分に110番通報が寄せられていた。

 現場では同署と南陽市役所、地元の赤湯猟友会のメンバーら約15人が追跡して捕獲に当たった。同11時前には、住宅地内の車庫に入ったところをパトカーなど車両4台で包囲したが、同11時40分ごろ、東側に逃げた。同日午後0時19分、公立置賜南陽病院東側にある水路にはまって動けなくなっているイノシシを発見した。市職員や猟友会員が電気やりで駆除した。イノシシはその後、猟友会によって同市と高畠町の境界付近の山の麓に埋却された。

山形新聞 2023/1/7 21:50
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