「#ロシアを支持します」

去年3月のある日、突如、このハッシュタグがSNSで広がりました。

2月の軍事侵攻以降、主に欧米の「ウクライナ支持」を表明する投稿が多く見られた中、一時、ツイッターのトレンド入りもしました。

なぜなのか。

ロシア発の情報の流れを分析すると、「フェイク」を交えながら世論に影響を与えようとする巧妙な「情報工作」の実態が浮かび上がってきました。

自国の行動を正当化する「プロパガンダ」を発信し続けるロシア。
それに対して、国際的なPR戦略などで対抗するウクライナ。
双方が仕掛ける情報戦は激しさを増し、世界に分断を引き起こしています。

SNS全盛の時代、世界中の市民を巻き込んで繰り広げられる新次元の“情報戦”に迫ります。


フェイクのほうが1.2倍シェアされる


去年3月2日、ツイッター上に突如出現し、拡散したハッシュタグです。

軍事侵攻開始以降、ツイッター上では主に欧米のユーザーが「ウクライナ支持」を表明するハッシュタグやメッセージが急増していました。

こうした流れに反して、3月2日になぜかロシア支持/プーチン支持を表明するハッシュタグが拡散し一時ツイッターのトレンドになっていたのです。
この現象に気づき、詳細な分析を行ったのがイギリスの調査機関「キャスム」です。

イギリスの調査機関「キャスム」 カール・ミラーさん
「ある朝起きたらツイッターのトレンドに『ロシア支持』『プーチン支持』が入っていたことに気づきました。
それまでSNSはウクライナへの支持で埋め尽くされていたのに、イギリスだけでなく世界の国々でトレンドになっていたんです。信じられないことでした」

なにが起きているのか突き止めようと、2つのハッシュタグを使ったおよそ35万件の投稿データを分析したところ、「不自然なパターン」が見つかったと言います。

ロシア支持のハッシュタグを頻繁に発信していた約1万のアカウントを分析。
言語や投稿の内容から、世界のどの地域や集団に属するのかを分類しました。すると、大きく8つのグループが浮かび上がりました。

「不自然なパターン」がみられたのが、図の青色で分類された約1100のアカウントです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230113/k10013948481000.html