「数学の大家」として知られ、関数を極限まで一般化した「佐藤超関数」などの理論を示した京都大名誉教授の佐藤幹夫(さとう・みきお)さんが9日、老衰のため死去した。94歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は長男信夫さん。

 1928年、東京に生まれた。東京大卒業後、大阪大教授、東京大教授、京大数理解析研究所教授、同所長などを歴任した。

 ノーベル物理学賞を受けた朝永振一郎に学んだが、数学の道を選んだ。「佐藤超関数」のほか、微分・積分などの解析をきっちりと代数的に調べる「代数解析学」、特殊な波の物理方程式の解析などを開拓し、数学や物理学に大きな影響を与えた。

 69年度朝日賞、76年日本学士院賞、84年文化功労者、97年ショック賞。2003年には、ウルフ賞を受けた。

朝日新聞2023年1月16日 17時56分
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