福岡市のJR博多駅近くで会社員・川野美樹さん(当時38)を刺殺したとして、県警は18日、殺人の疑いで元交際相手の飲食店従業員・寺内進容疑者(31)を逮捕した。
県警によると「間違いない」と容疑を認めている。寺内容疑者は昨年11月、ストーカー規制法に基づく禁止命令を受けており、県警は事件との関連を調べている。
元大阪府警刑事、筑波学院大学客員教授・中島正純氏が警察の対応と課題を語った。

警察は順を追ってストーカー規制法の警告、禁止命令を出すなど対応は適切だった。おそらく寺内容疑者本人とも会って、命令を言い渡していたと思う。

 ストーカー加害者の9割9分は、警察から警告や禁止命令が出れば、次は逮捕されるので行為をやめる。
しかし、今回のように、逮捕されてもかまわないという意識で事件を起こす異常な人物が、ほんのひと握りはいる。
警察も法律ギリギリのところまでやっているが、このような事件は今の世の中では残念ながら防ぎようがない。

 ストーカーに悩まされている人は、行為に気づいた時点でなるべく早く警察に届け出をしていただく。今のところ対策はこれしかない。
今回の被害者の方もおそらく、110番の発信者登録制度で情報が登録されていたはず。
詳しい事情を話さなくても、110番につながれば、GPSで発信者情報が出て、瞬時に警察が現場に駆けつけられていたと思う。

 容疑者が他の人に殺害を依頼していた可能性もあるので、捜査は慎重に進められていた。
ただ、カメラに映っていたのが容疑者本人で、現場に指紋があり、目撃情報もあるので逃げようがなかった。容疑者が罪から逃れることはできない。

2023年1月19日 6時0分
https://hochi.news/articles/20230118-OHT1T51139.html