22年12月になると新規感染者数は増加しますが、その数は第7波に比べても少なく、流行規模はあまり大きくないと考えられていました。
しかし、12月中旬から一日の死亡者数が増加し、連日、過去最多を記録するようになったのです。
この時点でも流行しているウイルスはBA.5やBQ.1で、病原性に変化はありませんでした。

そうなると、死亡者数が増加している原因として最も考えられるのは、感染者が報告されている数よりもかなり多いという点です。

第7波までは全数把握がされており、新規感染者数が正確に発表されていましたが、第8波では全数把握が厳密に行われなくなったため、
発表されている感染者数は氷山の一角になってしまったのです。

つまり、22年12月中旬には新規感染者数が第7波を超えて、過去最多になったと推測されます。これだけ感染者数が増えれば、致死率は低くても死亡者数が増加します。

さらに、12月中旬から高齢者の感染が増えてきたことも死亡者数の増加に影響しました。高齢者は持病を抱えている人が多いため、
新型コロナに感染すると重症化しやすく、死亡することも多くなるのです。


◇第8波が想定外に拡大した理由


第8波の感染者数が想定外に増加した理由としては、冬の流行であることや、年末年始に接触機会が増えたことなどが挙げられます。
これに加えて、今シーズンの年末年始は行動制限が全くなかったことも、感染者数が増加した理由と考えられます。

さらに、オミクロン株対応ワクチンの追加接種が22年秋から始まっていましたが、その接種があまり進まなかったことも第8波の拡大を増強したようです。
23年1月初旬の時点でも、このワクチンの接種率は国民全体で36%、高齢者でも約6割という状況になっています。

追加接種を受けることで感染予防効果が増強されるだけでなく、重症化予防効果も長く続くとされています。
追加接種がまだの方は今からでも受けていただきたいと思います。

https://medical.jiji.com/column4/171#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3

2023年の仕事始めを迎え、東京都千代田区の神田明神には商売繁盛を祈願する多くの参拝客が訪れた
https://medical.jiji.com/images/image/column4/8828ce24aaba414f193b86003da0c9d7.jpeg