<侵略行為や弾圧、食料不足は世界全体の問題。弱い立場の人々の声を聞き、行動しなければならない>


新しい年に、どうしたら楽観的になれるか。将来を見据え、ぶれることなく、一致団結すれば目標を達成できると自信を持つ――そうした姿勢を指針にするべきだ。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の1カ月後、国連総会は民間人保護などを求める人道決議案を、世界各地域の計140カ国の賛成を得て採択した。
各国を結び付けるのは、市民の期待に沿って行動するという共通の信念だ。だからこそ、不正義に対して中立の立場は取らないと、断固として表明した。

ロシア軍が占領した地域で性的暴行を受けた女性、射殺された交響楽団指揮者、自宅を追われた幼児――。彼らは未来の私たちかもしれない。

ウクライナへの侵略行為を傍観すれば、強大な近隣国に攻撃される不安の中で誰もが生きることになる。


アンナレーナ・ベアボック(ドイツ外相)
ドイツ緑の党の前共同党首。2013年から連邦議会議員を務め、21年12月に外相に就任した。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/01/issues-2023-1.php