新型コロナウイルスに感染したハムスターの死体の鼻などを詰め物で塞ぐと、他の個体に感染が広がらないとする実験結果を、
東京大などのチームがまとめた。論文が米国の専門誌に掲載された。

厚生労働省などは今月、コロナで亡くなった人の扱いで、体液の漏出を防ぐ処置をすれば、遺体を包む「納体袋」への収容を不要とするなど制限を緩和した。
実験結果は、その判断材料の一つになったという。

チームは、新型コロナに感染後に死んだハムスター1匹と、感染していない生きた個体2匹を1組にし、24時間、同じケージ内に入れた。

死体の鼻と口、肛門に詰め物を入れて塞いだ組では感染がゼロだったが、
こうした処置をしない組では、10組中3組で生きた個体2匹とも感染したという。

チームは、ウイルスを含む体内のガスがハムスターの死体の鼻などから漏れ、感染を広げたとみる。

河岡義裕・東京大医科学研究所特任教授は「新型コロナで亡くなった方に対して同じ処置を行うことは、感染防護対策の観点から有効だ」と話している。


中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)の話 「遺体を扱う際の一般的な感染防止対策が新型コロナでも有効だと証明する成果だ」

https://www.yomiuri.co.jp/science/20230124-OYT1T50097/