浄水プラント導入を巡り賄賂を受け取ったとして、受託収賄罪などで有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(38)が求める再審請求で、名古屋高裁(田辺三保子裁判長)は1日、棄却する決定をした。藤井氏側は異議申し立てをする方針。

 再審請求で藤井氏は、「贈賄側から『藤井氏に30万円渡した』と聞いた」と公判で証言した関係者が、有罪確定後に「検察の取り調べでそう思い込んだ」と明らかにしたと主張。誤った証拠に基づいて判決が言い渡されたと訴えていた。


 藤井氏は2013年の市長選で、当時の現職市長では全国最年少の28歳で初当選。しかし翌年、市議時代に浄水プラント導入で便宜を図った見返りに業者から現金を受け取ったなどとして逮捕、起訴された。

 15年の名古屋地裁判決は無罪だったが、16年に名古屋高裁で逆転有罪の判決が出た。17年1月の出直し市長選で再選、5月に無投票で3選を果たしたが、上告棄却を受けて辞職した。

 21年11月に再審請求を申し立て、22年1月の市長選で4度目の当選を果たし、復帰した。【藤顕一郎】

毎日新聞 2023/2/1 14:00(最終更新 2/1 14:00) 453文字
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