統計が残る1975年以来、一貫して増え続けていた沖縄県人口動態の「自然増減」が年間を通して初めて減少に転じたことが2日までに、県の「2022年人口移動報告年報」で明らかになった。21年10月1日~22年9月31日の1年間、生まれた子どもの数1万3974人から死亡者数1万4672人を差し引くと698人の「自然減」だった。

 全国的に新型コロナウイルスの影響を受けた結婚や出産控えの傾向がある上、高齢化やコロナの影響で死亡者数が増える傾向にある。子どもの数が多く全国で唯一、自然増が続いてきた沖縄も同様の影響を受けたとみられ、自然減に転じた。


 一方、転入者と転出者の差を示す社会増減は806人増えた。22年10月1日時点の県内総人口は前年比108人増の146万8634人と依然として人口増加は続いている。ただ、増加数はゼロに近くなっており、総人口の減少も目前に迫る。

 県統計課によると、沖縄の人口が前月比で自然減に転じたのは2021年2月が初めてだった。その後自然増に持ち直したが、22年1月から再び自然減に転じ、23年1月まで12カ月連続で自然減を記録している。

 21年の県内の1人の女性が産む子どもの推定人数を示す「合計特殊出生率」は1.83人(全国平均1.30人)で37年連続で全国一を記録している。20年の国勢調査では65歳以上の老年人口は22.6%を記録し、沖縄も超高齢化社会に突入したことが明らかとなった。0~14歳の年少人口は16.9%、15~64歳の60.5%だった。

 国立社会保障・人口問題研究所は、沖縄の人口は25年ごろがピークで30年代から人口減社会に突入する推計値を示す。県企画調整課の担当者は「自然減が継続的なものか、一過性のものか注視して今後の施策を展開したい」と述べた。
(梅田正覚)

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