米国のトランプ前政権で国連大使を務めた共和党のニッキー・ヘイリー氏(51)は14日、2024年の次期大統領選への出馬を表明した。自身のツイッターに投稿した映像で「新たな世代のリーダーが、国家を強くする時だ。大統領選に立候補する」と述べた。共和党の主要候補の出馬表明は、ドナルド・トランプ前大統領(76)に続いて2人目で、女性初の共和党の大統領候補指名獲得を目指す。

 ヘイリー氏は「(民主党の)ジョー・バイデン(大統領)の政権運営はひどいものだが、驚きではない。ワシントンのエスタブリッシュメント(既存の支配層)は何度も何度も、私たちを失望させてきた」とバイデン政権を批判。財政赤字の削減や移民が殺到する国境の管理強化が必要だと指摘し、「我々の国家と誇り、決意を強めるために、新世代のリーダーが必要だ」と訴えた。

 また「米国はもろいと見ている人たちがいる。(民主党の)社会主義者の左派が歴史を書き換える好機だと思っており、中国とロシアが活発に活動している。彼らは私たちをいじめようとしているが、私はいじめを耐え忍ぶことはない」と強調。「蹴り返せば、彼らは痛みを感じる。(靴に)ヒールがあれば、なおさらだ」との言い回しで女性候補としての存在感もアピールした。「中国はジェノサイド(大量虐殺)を犯し、イランは政府に抗議する自国民を殺害している」と中国などを批判する一幕もあった。

 ヘイリー氏は15日に地元の南部サウスカロライナ州で集会を開くのを皮切りに、東部ニューハンプシャー州や中西部アイオワ州など党候補指名レースで序盤戦が行われる州を回り、支持拡大を訴える。現時点での世論調査での支持率は数%で、本命のトランプ氏や対抗馬のフロリダ州のロン・デサンティス知事(44)らに水をあけられており、早期の出馬表明で知名度を上げる狙いもあるとみられる。

 ヘイリー氏はインド系移民の両親を持ち、サウスカロライナ州議会議員を務めた後、10年に同州知事選で初当選した。当時から共和党の若手有望株として期待され、トランプ前政権の17~18年に国連大使を務めた。【ワシントン秋山信一】

毎日新聞 2023/2/14 22:31(最終更新 2/14 22:32)
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