米軍が中国の気球を撃墜した問題をめぐり、気球が風の影響で予定の針路から外れ、米本土に達した可能性がある、と米政府がみていることがわかってきた。米メディアが政府内の見方を伝えた。米中の緊張を高めた気球の飛来について、部分的には中国側の誤算だったという可能性を、米側から示唆するものだ。

 気球をめぐる事態について、米側に、一定の沈静化を図ろうとする思惑がある可能性もある。ブリンケン米国務長官は気球の問題を受けて訪中を延期しているが、16日から国際会議のためにドイツを訪れる予定で、中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員との会談も模索されている。

意図的か否か「問題でない」
 米紙ワシントン・ポストなどは複数の米政府関係者の話として、米軍や米情報機関が、中国の海南島から気球が放たれた時点から追跡していたと報じた。気球は太平洋地域の米軍基地の偵察が目的だったとみられ、東の米領グアムへ向かったように見えたが、途中で北へ向きを変え、太平洋を横断した。風の影響を受けた可能性があるという。

 ただ、その後、核弾頭を搭載…(以下有料版で,残り549文字)

朝日新聞 2023年2月16日 21時00分
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