米国麻薬取締局(DEA)がTHC-Oを「違法な規制物質」と判断
by 廣橋 大
2023年2月14日
https://asa-magazine.com/u-s-drug-enforcement-administration-determines-thc-o-to-be-an-illegal-controlled-substance/

THC-Oアセテート(以下、THC-O)は、Δ9THCの2~3倍もの効力があると言われるカンナビノイドで、アメリカで大麻が非合法となっている州において人気が高まっており、日本でも流通しています。

アメリカは2018年に農業法を改正し、THC0.3%以下の大麻(ヘンプ)を合法化。これにより、CBDを中心にカンナビノイド市場は大きく拡大。CBDを変換することで、Δ9THCと似た構造式を持つΔ8THCの流通が広まりました。

THC-OはこのΔ8THCを酢酸化することにより生成されます。なお、THC-OはΔ8THCとは異なり、大麻草には一切存在しない合成のカンナビノイドです。

アメリカの麻薬取締局(DEA)は2月13日、Δ8THC-O及びΔ9THC-Oは自然界に存在しない合成カンナビノイドであり、これらの物質は現行の連邦法によって保護されず、「違法な規制薬物としてみなされる」との見解を示しました。

これは、大麻産業で弁護士を務めるロッド・カイト氏に宛てられたDEAの返信メールによって明らかとなったものです。カイト氏は昨年、連邦機関に対しTHC-Oの合法性について問い合わせており、今月始めに再度そのフォローアップを行っていました。

THC-OやHHC-Oなどのアセテート化合物は、加熱することにより「ケテン」という有毒物質が生じるため、ベイプ等で吸引すると、肺に重大な障害がもたらされる危険性があることが指摘されています。

NORMLが紹介した今年始めの研究でも、THC-Oは、ベイプ関連障害の原因となるビタミンEアセテートと構造が類似しているとし、注意喚起がなされています。

なお、今回のDEAによる見解にこれらの要素は含まれていませんでした。